このプロジェクトは東京藝術大学取手キャンパスの可能性を探る
ワークショップ型リサーチである。
企画参加者は各種記録メディアを用いて、
キャンパスと周辺の関連施設の調査、記録を行う。
教員との意見交換、プロジェクトの体験、各拠点の観察を通して、
取手キャンパスという独自の環境の可能性を探る。
キャンパス リサーチ イン 取手
(https://www.youtube.com/watch?v=GfBlGNGgRXY)
東京藝術大学取手キャンパスにある食堂。2017年下半期より、取手アートプロジェクトが委託運営をはじめる。校内や取手の畑で採れた食材をつかい、日々「おいしい」を届けている。学生はもちろん、一般の方も利用できる。食堂内や隣接するギャラリーでは作品展示もされており、時折ワークショップなどのイベントも行われる。「食」を通してアートを支え体感できる、取手キャンパスの玄関口。
このWEBサイトは東京藝術大学取手キャンパスを対象としてキャンパスの可能性を探るワークショップ型リサーチの蓄積である。企画参加者は各種記録メディアを用いて、取手キャンパスと周辺の関連施設の調査、記録を行う。大学教員やスタッフとの意見交換、プロジェクトの体験、各拠点の観察と探索を通して、作品やモノ、文書といった資料としての芸術資源だけではなく、取手キャンパスという独自の環境に見つけられる芸術資源の発掘に取り組む。
「キャンパス(campus)」が大学の敷地の意味で使われ始めたのは1770年代のことで、それはラテン語で「平らな土地、野原」を意味していたという。2020年代にあって、大学キャンパスはそんなふうにのどかであり続けているだろうか。その一部(またはほとんど)がインターネットの空間に移ってしまった。授業は言うまでもなく留学さえも画面越しで受けることができる。わざわざ歩いて、自転車に乗って、電車やバスに乗って通学することも学生にとって当たり前でなくなってしまったかのようだ。そうであれば、すでに平らな土地でも野原でもないこの場所には何が残っているのだろう?
それらを考えるために、東京藝術大学取手キャンパスに訪れてみる。ヤギが歩いて草を食べる姿を眺める、大きな作品を燃やした話を聞いてその跡地に立つ、石を割る、落穂を拾う、火を熾す、鉄釜でご飯を炊く、寝食をともにしてから、何ができるのかを考える。
この地図には、キャンパスを初めて訪れた参加者の視点やアイデアのほかに、地域をよく知る協力者からスポットが蓄積されている。
自然豊かな場所の地形を生かしてその時々の環境に合わせた建築や造園、環境と活動の場の一体感、そこに訪れる人々がその場をそれぞれの視点で楽しんでいること
さまざまな「余白」があり、何かを創造したくなる環境
1週間くらい滞在して、学生さんや先生方、近隣やさまざまなみなさんと過ごしてみたい
半農半芸の実践、それを可能にしている場としての取手キャンパス+α
人間のプリミティブななりわいとしての芸術の実験場であることが許されている場
異分野の方や地域の方も集って物事をプリミティブに考える焚火の雑談会や、半農お手伝い会、時にはイベントを交えたりといったゆるやかな活動の拡張を通じ、この実践と場を永続的なものにする仲間を学内外に増やしていき、これをアーカイブしながら、そこからさらに何か新たなプロジェクトや創造につなげていくことなど
ヤギを飼育を見て、岩間先生の手料理を体験し、芸術祭を継続することの難しさの話を聞き、自然から発せられる音を聴いた
生活がまるごとアートな里山キャンパス
例えばアートにちなんだ野外イベントとして、フェスやキャンプ(アーティストが3日間で何らかのアート作品を作成するブートキャンプ&ギャザリングなど地域住民との交流含む)。また、地域住民に開放してコミュニケーションを図ることのできるようなソーシャリーエンゲージドアートの展示。あるいは、アートが資源となって地域が活性化されるための「取手アートDAO(仮)」
藝大食堂、メディア棟、大学美術館 取手館収蔵庫の見学、メディア棟では各専攻の実習室の見学や体験、藝大食堂を中心に取手キャンパスでは画材になるものはできるだけ自給自足しているというお話
美術現場の見学の場
収蔵庫内美術館でのVTS(対話型鑑賞)ワークショップ
"デザインリサーチャー。ありえるかもしれない「別の」デザインを実践/研究/教育を通じて探求・開拓する。障害福祉・情報技術・デザインの交差点、知の生成と流通の現場としての展覧会、思索のためのデザインなどを主題に活動。研究会「デザインの現在」を共同運営。
https://note.com/ksksmkg
https://scrapbox.io/ksksmkg/
岩間さん、TAP、ボランティアの方たちが藪を伐採・開拓して現れた「地面」
当時を思い出すと、土、落ち葉、枝の色や質感が浮かんでくる
当日もいろいろとアイディアを考えた一方(キャンパスリサーチ イン 取手——キャンプ編、リサーチャーインレジデンス、基礎芸術祭など...)、取手キャンパスの当事者になっていく過程を経ることで、自分がどうふるまえばいいのかが見えてくるだろうか
1993年韓国ソウル市生まれ。1998年より東京都に育つ。東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程。内臓感覚とメディア環境の交点を探求するアーティスト。映像や彫刻などの手法を用いて、呼吸や重力などの内的な身体感覚を媒介に生態を再考する作品を制作する。
"2002年生まれ佐賀県出身
東京芸術大学大学院美術研究科先端芸術表現専攻在籍
廃材を用いて彫刻作品を制作している。また近年では消防団に所属しながら「消防・火」に関するリサーチ活動・作品制作も行っている。
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024
企画展示「Nakago Wonderland–どうぶつ達の息吹と再生」に卒業制作作品を出展"
利根町出身。取手に暮らしながら、利根町時代の同級生と共に耕すプロジェクトのメンバーとして携わる。
"1974年千葉県生まれ。2023年4月より東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻(壁画第二研究室)准教授。
これまでに「越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟)、「旺山開天ビエンナーレ」(韓国)などで作品を多数発表。「遠い未来ではない、今から地続きの10年後の未来を多視点な角度から捉え、美術、音楽、ダンス、建築、農学、社会学、生命研究等、様々な分野が領域を超えて共振する新しい世界観・知の場をつくる必要がある」と考え、取手アートプロジェクト「半農半芸」(茨城)、「中房総国際芸術祭アート×ミックス」(千葉)などのディレクターとして、多様な世代と分野の方々との共創プロジェクトや教育プログラムの企画なども行っている。"
2005年より取手アートプロジェクトに継続的に関わる。公益財団法人東京都歴史文化財団東京文化発信プロジェクト室(現アーツカウンシル東京)において「東京アートポイント計画」を立ち上げ期の2009年から担当。2024年より現職。東京藝術大学大学美術館取手館/取手収蔵棟の運営及び地域連携を担当。
土・うんち・微生物・火・窯・食を軸に創作しています。あちこちにフィールドワークしに行くことが好きです。あと動物のうんちや、食べれる野草を見つけると、つい嬉しくなっちゃいます。
1981年高知生まれ、広島、三重育ち。NPO法人取手アートプロジェクトオフィス理事・包括ディレクター・東京藝術大学社会連携センター特任講師。大学進学を機に茨城へ。学業そっちのけで取手アートプロジェクト(TAP)のインターン活動に勤しむ。他県文化財団での仕事を1年ちょっとで辞め取手に戻り家族を持つ。現在はTAPの活動の中でヤギの世話、若い芸術家を見守る食堂のおばちゃんを兼務しつつ、誰もが表現活動にアクセスできる日常が持続可能になることを実現するため奔走中。